知らない高齢者もいるので「高額療養費制度」を紹介します。
知っていることで医療費を大きく削減できます。
病院に行きたくありませんので、多くの方は医療費を積極的に調べようとはしないのです。
ましてや手術や長期入院など想像したくないので、医療制度を知らない人が多い原因かもしれません。
高齢者にとっては、健康のこと、お金のことが一番大切で気がかりです。
高齢者は医療費の支出を「高額療養費制度」とは
もし入院が決まったら、「限度額適用認定証」を入手しましょう。
事前に手続き、入手しておけば、高額な医療費を支払わなくても済みます。
私は過去に、この「高額療養費制度」の存在すら知らず、後になって面倒な申請手続きをする羽目になりました。
病院の窓口は、患者や家族に「高額療養費制度」があることを教えてくれません。
日本には素晴らしい医療制度があるのに国も自治体もこの制度のことを積極的に広報していません。
以前、制度を知らなかった私は、病院の会計窓口で3割負担の医療費を2か月間も支払いました。
後で「高額療養費制度」の存在を知り、病院の領収書をかき集めて請求申請を行いました。
ちなみに、さかのぼりは過去2年間のようです。
後で申請する方法は、非常に手続きがめんどくさく、更にその差額が振り込まれるのも3か月後です。
これを解決しはてくれるのが、「限度額適用認定証」です。
「限度額適用認定証」を入手しておけば、病院の窓口で自己負担限度額のみ支払えば済みます。
少し大げさですが、備えあれば憂いなしです。
入院中でも、気が付いたらすぐに「限度額適用認定証」を入手しましょう。
「限度額適用認定証」の入手方法は後半で紹介、まずは「高額療養費制度」について知っておきましょう。
自己負担限度額を超えた医療費は「全額カット」されます。
ただし、健康保険適用外の治療費は対象外になるので注意が必要です。
例えば、「食費」や「差額ベッド代」、「先進医療にかかる費用」などは、高額療養費の支給対象外となっています。
以下が自己負担限度額の支払額です。
69歳以下の自己負担限度額
69歳以下の医療費の月間の自己負担限度額は以下の通りになっています。
表の「赤枠のウ」の適用区分対象者を例にしてみます。
年収370万円~770万円の人の場合。 例えば、医療費が100万円かかったと仮定すると、 80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円
「月間の自己負担限度額は87,430円」となります。
どんなに高額の医療費がかかっても、病院の窓口にて87,430円を支払えば良いのです。
また、該当する年に所得税を支払っている人は、医療費控除の確定申告をすれば、既に納めた所得税が還付される可能性もあります。
医療費控除は10万円を超える医療費や薬代が対象です。
70歳以上の月間の自己負担限度額
2018年8月から、70歳以上の年収区分が3段階に細分化され、年収が370万円以上ある方は、69歳以下の方の年収条件と同じに変更されました。
過去12か月で限度額が多数回の場合は更に減額
ここでの多数回とは、過去12か月で限度額を3回以上支払っている場合、4回目の支払いがさらに減額されます。
減額される多数回該当は下記の通り。69歳未満も70以上もほぼ同様の条件となり、約半額になります。
「限度額適用認定証」の入手方法
入院や高額の医療費がかかることがわかったら、「限度額適用認定証」を入手しましょう。
「全国健康保険協会(協会けんぽ)」への申請
会社に勤務している方は、健康保険証のに「全国健康保険協会」〇〇支部と書かれているので、各都道府県の支部に申請します。
申請と利用の流れは下図の通りです。
「出典:全国健康保険協会千葉支部」
●都道府県支部はこちらから、 各都道府県支部
●申請書類のダウンロードはこちらから、 協会けんぽ提出用「限度額適用認定証」ダウンロード
会社に勤めている人であれば、総務の人に依頼すればやってくれます。
また、家族の病気を知られたくないなどで、頼みたくない人は自分で申請すればよいのです。
「国民健康保険」は各市区町村へ申請
国民健康保険に加入している人は、お住いの市区町村の国民健康保険の窓口に申請します。
各市町村のホームページから申請用紙をダウンロードできます。
お時間がある方は市区町村の窓口を訪れて詳しい説明を受けた方が良いでしょう。
親切に教えてくれると思います。
まとめ
過去に高額療養費制度の存在を知らず、損をした経験から記事を書いてみました。
この私の体験は10年も前の事なりで、当時と比べるとこの制度はかなり普及しているのではないかと思います。
最近、インターネットで「高額療養費制度」の認知度を検索してみたら、数年前のとある調査機関の発表では、約半数が認知していないという結果がありました。
高額療養費制度を活用した時に感じたことは、入院や治療を受けるタイミングによって支払う医療費がかなり違ってくるケースもあります。
つまり、現行の「高額療養費制度」では、医療費を月ごとに締めているため、1か月内に入院や治療が終わってしまえば、1回分の限度額医療費で済みます。
しかし、2つの月にまたがると2回分の支払い、つまり2倍支払うケースがでてきます。
例えば、5月20日に入院して治療を開始し、6月15日に退院したとすると、入院期間は26日間で1か月間には満たなくても、2回分の支払いが発生します。
6月1日に入院し6月26日に退院、入院期間は同じ26日でも、1回分の支払いで済みます。
治療、手術内容、入院日数が全く同じでも支払いは2倍になる計算です。
もう少し、患者や家族にやさしい制度に改正すべきです。