歳を重ねると関節の可動域や柔軟性が低下してきます。
66歳の私は還暦を迎えるまでは、関節や筋肉などの痛みは全くありませんでした。同年齢の人と比べても柔軟性も高く元気でした。
しかし還暦を迎えたある日に階段を一段ぬかしで上がっている時にふくらはぎに強烈な痛みが走り一時的に正常には歩けなくなりました。医者に診てもらいましたが診断は下されず、歳のせいで片付けられました。
私が思うに柔軟性が低下したのです。
関節の可動域や柔軟性が低下すると体に色々な不都合が起こってきます。
関節可動域と柔軟性の低下は運動機能障害を起こす
私の経験からも関節の可動域や柔軟性が低下すると以下のことが起きやすくなります。
関節可動域が狭くなることで、日常生活での動作が制限される
柔軟性が低下すると筋肉の動きが縮小して血行循環が悪くなり疼痛を伴う
とっさの動作も追いつかずに転倒する
筋肉疲労がはやく、疲れやすい
私は時々、油断して上り階段でつまづくことがあります。今はとっさに手をついて難を逃れていますが、この先不安もあります。
上り階段では出来るだけ太もも(ひざ)を引き上げて確実に次の階段に足を着地するように心がけています。
私たちシニア世代にとって、ケガをせずに出来るだけ長く快適な生活を送るためには関節可動域と柔軟性はとても重要です。
関節可動域と柔軟性を高める効果的な運動
関節可動域と柔軟性を高める運動として「ストレッチ」や「ヨガ」が効果的です。
また、ウォーキングや筋力トレ、そして栄養バランスの良い食事です。
ストレッチの効果
ストレッチを行うことによって、確実に関節可動域が広がり柔軟性が向上します。
毎日のストレッチ運動は関節の可動域と柔軟性を改善するのに役立ちます。
全身のストレッチや特定の関節を重点的にストレッチする運動を取り入れ、関節をゆっくりと動かすことで、柔軟性を促進し、関節の可動域を広げることができます。
ストレッチの種類は様々ありますがシニアの方には特に静的なストレッチがおすすめです。
疲労回復・腰痛予防に!股関節・お尻周りの静的ストレッチ(健康カプセル!ゲンキの時間)
動的なストレッチも効果的ですが、シニアの方にはリスクがあるので注意しましょう。
ストレッチは自宅でも簡単に行えます。
部屋を明るくして、ゆったりとした音楽を流しましょう。
一人で行うこともできますが、友人や家族と一緒に行うと、モチベーションが上がります。
体をじっくりと感じながら行うことで、リラックス効果も得られます。
年を取ってからのストレッチは、新しい発見があるかもしれませんよ。
ヨガの効果
ヨガには、筋肉を強化するアーサナや、呼吸法であるプラーナーヤーマ、瞑想に焦点を当てたダルマなど、様々な種類があります。
シニアの方には、過度なストレッチやアッサナは避けることが必要です。
ゆっくりと深呼吸をしながら、簡単なプラーナーヤーマを行うことがお勧めです。
ヨガは、柔らかい衣服やマットを用意するだけで始めることができますし、自宅でも簡単にできます。
しかも、ヨガは筋肉を引き締め、関節を柔軟にするだけでなく、実にリラックスできる効果がありますので、ぜひ一度試してみてください。
ウォーキングの効果
ウォーキングは関節を支える筋肉を強化することが期待できます。
軽い負荷をかけながら行うため、関節を傷めるリスクが低くシニアに適した運動です。
また歩くことで骨に負荷をかけるため、骨量が増え、骨粗しょう症の予防につながります。
さらに、ウォーキングには筋力トレーニングの効果もあります。
特に、下半身の筋肉を鍛えることができるため、関節や骨を支える筋肉を強くし、関節可動域を広げることができます。
週に3回程度、30分程度のウォーキングを心がけることが大切です。
水中運動の効果
水中運動が関節に与える影響は、水の浮力によって関節にかかる負荷が軽減される点にあります。
そのため、膝にかかる負担が少ないため痛みが少なく、より自由な運動が可能になります。
また、水の圧力によって、関節が柔軟性を保ちやすくなるため、関節可動域が広がると言われています。
水中運動が筋肉に与える影響は、水の抵抗が筋肉にかかるため、運動量を増やさずとも筋肉を強化することができます。
さらに、水中で行う運動は、身体の安定性を保つため、体幹部分の筋肉トレーニングにもなります。
水中運動が心肺機能に与える影響は、水の抵抗が心臓の負担を増やすため、心肺機能が向上するとされています。
また、水圧により血行を促進して全身の血液循環を促す効果があります。
水中運動は、運動強度を調整しやすいため、運動不足に陥りやすい高齢者にもおすすめです。
筋トレをする
筋トレは、関節可動域を増やし、柔軟性を促進するだけでなく、筋力増強や骨密度の向上にもつながります。
自分の体重を利用したウエイトトレーニングは、家庭で手軽にできるトレーニングです。
ジムに行く必要がなく、自分のペースで行えます。
筋トレは、自分自身のペースでできるので、運動に手間と時間をかけたくない人にはおすすめです。
栄養バランスに配慮
シニア世代はまず良質のたんぱく質やマグネシウムを摂取しましょう。
これらは骨や筋肉の健康を維持するために必要な栄養素です。
マグネシウムを十分に摂ることで、血圧を下げることもできます。
ナッツや種子、果物、野菜に多く含まれていますので、積極的に取り入れましょう。
次に、オメガ3脂肪酸脂肪酸の摂取も重要、関節を健康に保つのに必要な栄養素です。
オメ3脂肪酸は魚や海藻、ナッツなどに多く含まれており体の内部で起きている炎症を抑える効果があります。
骨や筋肉の健康を維持するために必要な栄養素はビタミンCです。
ビタミンCにはコラーゲンを生成する効果があり、柑橘類、キャベツ、トマトなどに多く含まれていますので、積極的に取り入れましょう。
以上のように、適切な食事を摂ることで関節可動域と柔軟性を向上させることができます。食事は特定の食品に偏らずバランスよく摂取することが重要です。
日常生活でのケア
関節の可動域と柔軟性を向上させるためには、日常生活の中でもケアを行うことが重要です。
正しい姿勢を保ち、長時間同じ姿勢を続けないように心がけましょう。
長時間座っているとエネルギー消費が低下し、肥満やメタボリックシンドローム、心血管疾患などのリスクが増加するという研究結果があります。
また、筋力の低下や筋肉の柔軟性の低下、骨密度の低下なども座っていることによる影響です。
これらの要素が組み合わさると、慢性疾患のリスクが高まり、寿命が縮む可能性があります。
また重いものを持ち上げる際には適切なフォームを守り、関節への負担を軽減しましょう。
まとめ
シニアの方々が関節の可動域と柔軟性を向上させるためには、ご紹介したような運動を継続することです。
これらの方法を継続的に取り入れることで、関節の可動域と柔軟性を改善し、健康的で快適な生活を送ることができます。
関節の可動域と柔軟性を向上させるために選ぶ運動やストレッチは、個々の能力や健康状態に合わせて行う必要があります。
無理な負荷や過度なストレッチはケガの原因となる可能性があるため、安全性に配慮して運動を行いましょう。