ペットを飼うことで得られる健康効果を調べてみました。
たくさんの研究機関が健康効果を報告しています。
予想を上回る研究結果がたくさん報告されています。
我が家は、11歳のダックスフンドがいます。
子育てが終わり、子どもが独立したため、夫婦二人暮らしとなりました。
私たちの共通の関心ごとは愛犬で、毎日ペットに関する会話ばかり。
夫婦喧嘩もしますが、険悪な雰囲気を察知した愛犬が、私たちに静かに近づいてきます。
間に入って、まるで喧嘩の仲裁をされているように感じます。
思わず、愛犬を撫で気持ちも落ち着いて、夫婦喧嘩もいつの間にか終わっていることもしばしばです。
愛犬が、私たち夫婦の潤滑油になっていることを痛感させられます。
犬は仲間の犬同士が険悪な状態になると、その2匹の間をわざと通過して喧嘩をやめさせようと行動するそうです。
最近の研究で犬や猫に限らず、ペットが人に与えてくれる健康効果が数多く報告されていますので、ご紹介します。
ペットを飼うとストレスが緩和される
家庭にペットがいることで、孤独感が解消され、癒やされるという感想を聞きます。
私も妻が外出し一人の時にも、愛犬に話しかけたりお散歩に出かけ、寂しさを感じることはありません。
ペットを飼えば、毎日の餌代、予防注射、病気の治療などの費用や時間、手間もかかります。
面倒や不都合なこともたくさんあります。
しかし、ペットに愛情を注いで仲良く一緒に暮らすことができれば、飼い主に与えてくれるメリットが少なくありません。
犬と暮らすことで癒やされてストレスが緩和されていると感じます。
ストレスは免疫力を低下させる
強いストレスは、睡眠不足や食欲不振などを招きます。
ウイルスや細菌などの有害菌から体を守る免疫細胞の働きを低下させることが解明されています。
犬や猫などのペットと触れ合っていると、幸せな気持ちになり満たされた経験があると思います。
満たされている時は、自律神経の副交感神経が優位になり、体内では免疫細胞の働きも活発になっています。
免疫細胞の攻撃力が増強して有害菌やウイルスを撃退してくれます。
更に、この時に人の体の中ではとても有益な事が起きています。
幸せホルモンが分泌される
オキシトシンと呼ばれている体内ホルモンの分泌が促進されているそうです。
オキシトシンは、脳の下垂体から分泌され心に作用して信頼する気持ちを高める働きがあることで知られています。
別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。
オキシトシンは、ストレスを緩和、低下させて幸せな気持ちにさせてくれる大切な物質なのです。
「麻布大学と自治医大」の研究で、このオキシトシンは、飼い主と犬とが触れ合い、見つめ合っている時にも、飼い主だけではなく、犬の体内でもオキシトシンが分泌されていることが報告されています。
普段、犬は親しくない人をじっと見つめることはありません。
一度見てもすぐに目をそらします。
本当に信頼している飼い主に対しては目をそらさずにじっと見つめます。
飼い主とアイコンタクトでコミュニケーションをとっている時にオキシトシンが多く分泌されています。
愛にあふれた犬との触れ合いは、恐怖や不安などのストレスを緩和します。
人と犬のどちらにも健康効果があることが報告されています。
ペットを飼うと社会参加の機会が増えて認知症の予防
国立社会保障・人口問題研究所が実施した「地域の人とのつながりなどについて」のアンケート調査で、65歳以上の1人暮らしの男性の場合、ふだんどの程度人と会話をするか尋ねる質問で、「2週間に1回以下」と回答した人は全体の15%もいたと報告しています。
高齢者が自宅に引きこもり、刺激がなくなると、認知症のリスクが高まる事が危惧されています。
「引用元」生活と支え合いに関する調査
少し古い調査ですが、2012年に行われたものです。
2018年の現在、当時より高齢化が進んでいますので高齢者の引きこもりがさらに増えています。
犬を飼っていれば、毎日お散歩をします。
外へ出れば誰かとの触れ合いや季節の変化を感じて刺激も受けます。
お散歩中の飼い主さんと会えば犬を介しての飼い主同士の触れやコミュニケーションの機会も生まれます。
犬は食事やトイレなども飼い主が面倒を見なければ生きられません。
年間を通して計画的に動物病院に連れて行き予防接種をしたり、予防薬をもらったりしなければなりません。
以上のように、犬を飼っていれば、毎日やること、定期的にすることを記憶しておくことが必要になります。
以上の様にシニアになってからの、犬のお世話は結構大変です。
しかし、自分が健康でなければ面倒を見るのとはできなくなるという責任感が生まれます。
この大変さが認知症の予防に効果があるといわれています。
犬を飼っていると血圧が下がる
高血圧は認知症の進行に深く関与していることがわかっています。
高血圧は血管性認知症やアルツハイマー型認知症を加速されることが推定されています。
「英国メリーランド大学」が行った、高血圧症のある50歳以上のひとり暮らしをしている対象に実施した研究で、飼い主に小型血圧測定器を装着してもらい、日常生活での血圧の変化を測定した結果、犬の存在が「収縮期血圧(高い方の血圧)」と「拡張期血圧(低い方の血圧)」の両方を大きく低下させたと報告されています。
「オーストラリア」で実施された心臓病患者とペットの研究調査でも、心臓発作を起こした1年後の生存率を調べたところ、ペットを飼っている人の生存率が3倍も高かったと報告しています。
犬を飼っていると心臓病のリスクが低い
スウェーデンのウプサラ大学で実施された調査で、主に40歳から80歳の国民を対象に行われたものです。
犬を飼っている人は心臓病にかかるリスクが低くなると報告しています。
「スウェーデンのウプサラ大学」が行った調査で、犬を飼っている人は心臓病にかかるリスクが低く、長生きする傾向にあることが明らかにされています。
調査対象は、スウェーデン人340万人を対象に12年間の医療記録を分析した結果、健康に及ぼす影響は特に一人暮らしで顕著にみられ、犬を飼っている人は飼っていない人に比べて、心臓病を患う確率が11%低く、更に心臓病が原因で死亡する確率は33%低くかったと報告しています。
同大のトーブ・フォール疫学部准教授は、飼い主は犬を飼い始める前よりも健康的で活発になり、社会との接触が増えて生活の満足度が高まったことなども要因と考えられるとしています。
犬を飼っていると中性脂肪やコレステロールが低下する
「オーストラリア」で行われた、5741人の患者を対象にした研究では、ペットの飼育者は中性脂肪やコレステロール値が低かったとの報告もあります。
「米国カリフォルニア大学」が実施した研究でも、ペットの飼育者の方が、病院への通院回数が少なかったという結果が報告されています。
中性脂肪やコレステロール値が高くなると、メタボリックシンドロームや糖尿病のリスクが高まります。
犬を飼うと、散歩に出かけ体を動かす回数が増えるので生活習慣病のリスクが低減するそうです。
犬を飼っている人は、通院回数が少ないという調査結果があります。
医療費を削減できる可能性もあるわけです。
純血犬が飼い主の寿命を伸ばす
「スウェーデン」で全国民を対象に12年間にも及ぶ大規模調査の結果で、純血種の犬を飼っている人は飼っていない人たちよりも早期死亡リスクが20%低いことが分かったと報告しています。
この調査で、イングリッシュ・セターやアイリッシュ・セターといったポインティング・ドッグの飼い主では死亡リスクが40%、ビーグルやブラッドハウンドの飼い主では37%、スプリンガー・スパニエルなどレトリーバー系の犬の飼い主では26%低下したと報告されています。
その一方で、雑種犬を飼うことによる利点は事実上、まったくみられなかったとも報告しています。
研究者たちは、長い散歩をさせる必要がある犬の飼い主は、必然的に運動量が増えるので、心臓血管の状態が良好に保たれて寿命の長くなると結論付けています。
また、性格が温厚で人になつく犬種には、人々が近寄りがちであり、その結果、飼い主も多くの人たちと言葉を交わす機会が増え、飼い主の幸福感が増し、心臓血管の健康が増進されるという見方をしています。
まとめ
「最後に、我が家の愛犬hidemaruに、おしゃれをして登場してもらいました」
犬を飼うことで得られる健康効果が様々な研究で明らかにされています。
シニアの方が、犬を飼い始めると、日々の生活に大きな変化が訪れます。
犬を飼えば習慣が変わります。
いつも同じような生活から、メリハリのある変化に富んだ生活へと変わります。
犬を飼いたいと思いながらも、なかなか決断がつかない方もおられると思います。
でも、きっと飼って良かったと感じると思います。
それでは最後に、 米国の心理学者であり哲学者でもある「ウイリアム・ジェームス氏」の言葉をもじって言い換えます。
➀犬を飼えば、行動が変わる。
↓
②行動が変われば、習慣が変わる。
↓
③習慣が変われば、健康になる。
↓
④健康になれば、長生きをする。